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最高裁判所第三小法廷 昭和43年(オ)633号 判決 1968年12月17日

主文

本件上告を棄却する。

上告費用は上告人の負担とする。

理由

上告人の上告理由第一点、第二点について。

本件土地は被上告人の所有で、被上告人はこれを上告人の先代佐々木滝江に対し昭和七年頃賃貸し、滝江は昭和二三年死亡するまで右土地の賃料を被上告人に支払つていたものであり、滝江がその所有権を取得したことがない旨、上告人は滝江死亡後被上告人に対し本件土地の賃料を支払つたことがあり、昭和三一年一一月一五日頃には被上告人に対し本件土地の売却方の申入をして、拒絶され、被上告人から本件土地の延滞賃料の支払の催告を受けたことがある旨、したがつて、滝江についてはその占有中の全期間を通じ、上告人については昭和三一年一一月一五日頃まで、所有の意思をもつて、本件土地を占有していたと認めることができない旨の原審の認定判断は、原判決挙示の証拠関係に照らして首肯できる。引用の判例は本件に適切でない。原判決には所論の違法はなく、論旨は採用できない。

よつて、民訴法四〇一条、九五条、八九条に従い、裁判官全員の一致で、主文のとおり判決する。

(裁判長裁判官 松本正雄 裁判官 田中二郎 裁判官 下村三郎 裁判官 飯村義美)

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